首取り様1
☆☆☆

春香の頭部を見つけたのは道の真ん中だった。


片側が民家、もう片側が山肌になっている。


「こんな場所に地蔵の頭部があったら誰かが絶対に気がつくよね」


たどり着いたとき春香が絶望的な声で言った。


ここには地蔵の頭部はないと判断してもおかしくない場所だった。


「わからねぇだろ? 早く探すぞ」


大輔に急かされて春香も渋々地蔵の頭部を探しはじめる。


電信柱の影だったり、溝の中だったり、民家の庭だったり。


探す場所はそう多くない。


それでもやっぱり頭部は見つけることができなかった。


「やっぱり、根本的になにかが間違えてるんじゃないかなぁ?」


探し場所がないので20分ほどで手持ち無沙汰になってしまい、佳奈がつぶやく。


しかし男子たちはまだ諦めていないようで、山肌の方を調べていた。
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