首取り様1
「え……?」


佳奈は恐る恐る両耳から手を離した。


「窓が割れない」


「それって、防犯ガラスってこと?」


「そうなのかもな」


慎也はそう答えながらもそうではないと確信していた。


夜起きてから今まで入れる場所とそうでない場所があった。


ファミレスには入ることができた。


でも人はいなかった。


春香の家に入ることはできた。


でも人はいなかった。


警察署には入ることもできなかった。


ファミレスでは今の事態を整理した。


春香の家では、春香の安否を確認した。
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