首取り様1
「これって……」


そっと傷口をなでるとピリッとした痛みを感じて顔をしかめた。


これはあの夢の中でしたケガじゃないんだろうか?


そうだとも言えるし、ただ寝相が悪くて手をぶつけただけだとも言えそうな傷だった。


判断がつかずにため息をこぼす。


「そうだ、メール!」


ようやく頭がクリアになってきたことで、昨晩友人らとメッセージ交換をしていたことを思い出した。


あれが現実に起こったことなら、みんなとのやりとりが残っているはずなのだ。


佳奈は逸る気持ちを押さえつつスマホを手にした。


そしてメッセージ内容を確認する。


《美樹:みんな、起きてる?》


夜中に届いている美樹からのメッセージ。


それを筆頭に次々とかわされている夢の内容。


「やっぱり、夢じゃなかったんだ!」


鼓動は先程よりも激しさをマシている。
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