首取り様1
これじゃ間に合わない。


咄嗟に佳奈は前に出ていた。


「ウリャッ!」


と声を上げて右足を高く上げる。


そして化け物が腕を振り下ろすより先に、化け物の腹部に蹴りを入れていたのだ。


化け物がうめき声を上げて後退する。


倒れるほどの攻撃ではなかったけれど、たしかに効き目はあった。


佳奈は続けて蹴りを入れて、3発目で黒い化け物は後ろ向きに倒れ込んだ。


ドッと倒れ込む音を聞いた慎也と大輔が振り向く。


「佳奈……」


美樹が呆然として佳奈を見つめる。


佳奈は少し微笑んで「護身術で鍛えてたの」と、答えたのだった。
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