首取り様1
その声を聞きつけた慎也と美樹もすぐにやってきた。


全員のスマホの明かりが岩を照らし出す。


しばらくその状態で誰も動くことができなかった。


岩の前へ移動して確認するのが恐ろしかった。


と、その時だった。


美樹が1人で動き出した。


みんなの気持ちを悟ったのか、ゆっくりゆっくりと岩の周りを回って移動する。


「美樹……」


佳奈の声はかすれて誰にも届かない。


美樹が岩の前に回り込んでそれをスマホの明かりで照らし出した。


同時に息を飲み、その場に崩れ落ちるように膝をつく。


右手で口を覆い、必死で悲鳴を押し殺す。


その態度だけで十分理解ができた。


大輔は昨日と同じように上着を脱いで、明宏の頭部にかぶせた。
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