首取り様1
ただ、それを大事そうに抱え上げたのは美樹だった。


美樹はガタガタと震えていて、今にも頭部を落としてしまうのではないかと心配したが、頑として自分が運ぶことを譲らなかった。


とにかく、これで時間は大丈夫そうだ。


無事に見つけた頭部を抱えて林から出ると明宏の家へ向かう。


明宏の家は学校から近く、ここからだと歩いて20分ほどかかる。


でも大丈夫だ。


日が昇るまでまだ1時間はある。


佳奈はスマホで時計を確認して自分に向けて頷いた。


頭部を元に戻すことができれば、自分たちもまたベッドの上で目覚めることができる。


そして明宏も目を覚ますはずだ。


目的の家が見えてきたことで全員の気が緩んでいた。


美樹は早足になり一番前をどんどん進んでいく。


その次に大輔。


そして佳奈と美樹。


最後尾に慎也が続いた。
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