首取り様1
だけどそれに答えられる人はだれもいなかった。
こんな不可解な出来事に巻き込まれるようなこと、していないはずだ。
「夢に出てくるのは首のない、黒い人物。そして夜中の街に出てくるのは黒い化け物。この2つは同じものだと思うか?」
続けて出されたその質問に佳奈は「違うと思う」と、答えた。
形状はよく似ているけれど、夢の中の影は手が刃物になっていない。
だからわざわざ武器を手にしている。
そう考えると別物と捉えて良さそうだった。
それに、気になることはまだある。
「夢の中の黒い人物たちはいつも『地蔵』がどうこう言っているよね」
美樹が考え込んだ表情で言う。
それは佳奈も気にしていたところだった。
黒い影や黒い化け物に見覚えはないけれど、地蔵なら誰もが1度は見たことがある。
もしかしたら、手を合わせたことくらいならあるかもしれない。
「地蔵と言えば、行ったことがあるよね……」
佳奈は夏休みに入る前のことを思い出していた。
こんな不可解な出来事に巻き込まれるようなこと、していないはずだ。
「夢に出てくるのは首のない、黒い人物。そして夜中の街に出てくるのは黒い化け物。この2つは同じものだと思うか?」
続けて出されたその質問に佳奈は「違うと思う」と、答えた。
形状はよく似ているけれど、夢の中の影は手が刃物になっていない。
だからわざわざ武器を手にしている。
そう考えると別物と捉えて良さそうだった。
それに、気になることはまだある。
「夢の中の黒い人物たちはいつも『地蔵』がどうこう言っているよね」
美樹が考え込んだ表情で言う。
それは佳奈も気にしていたところだった。
黒い影や黒い化け物に見覚えはないけれど、地蔵なら誰もが1度は見たことがある。
もしかしたら、手を合わせたことくらいならあるかもしれない。
「地蔵と言えば、行ったことがあるよね……」
佳奈は夏休みに入る前のことを思い出していた。