首取り様1
素人キットを購入すれば何も怖いことはない。


『佳奈と1人で一泊か』


真剣な表情で言ったのはもちろん慎也だ。


佳奈はその含みのある声色に焦って『な、なに変なこと考えてんの!』と、慎也の腕を叩いた。


『それなら、肝試しに首なし地蔵に行こうよ』


『首なし地蔵?』


美樹が首をかしげて聞き返す。


しかし、声がした方向へ振り向いてみても、そこには誰もいなかった。


でも確かに聞こえた肝試しと首なし地蔵という声。


きっと6人のうちの誰かが言ったのだろうと、さして気にもとめずに視線を戻した。


『それ、聞いたことがある』


明宏がメガネを指先で直しながら言う。


『このまちには5体の首なし地蔵が祀ってある場所があるんだって』


『どこに?』


佳奈が聞くと、明宏は大まかな場所を教えてくれた。
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