首取り様2
鍛え上げられているのが十分に伝わってきた。


「今の時間は外に出たからって化け物に会うわけでもないし、地蔵を見に行くだけなら問題ないと思うよ」


大輔の肩を持ったのは明宏だった。


「そうだけど……」


春香は大輔の突っ走ってしまう正確を知っているので、まだ納得できていない様子だ。


「それならみんなでタクシーで行かない?」


佳奈の提案に全員が振り向いた。


一斉に見られて一瞬たじろいでしまう。


「ほ、ほら、あまり動くのが良くないなら車の方がいいなかな~って」


おずおずと提案すると春香が左右に首を振った。


「そんな無駄なお金は使えないよ。これからどのくらい生活にかかるかわからないんだから」


その視線はからのお弁当を入れた袋へ向けられている。


「そ、そうだよね」


「仕方ないなぁ。みんなで行くよ」


春香は盛大なため息を吐き出してそう言ったのだった。
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