首取り様2
☆☆☆

毎日毎日地蔵まで来ているので、すっかり道を覚えてしまっていた。


下手をすれば目を閉じていたってたどり着くことができるかもしれない。


4人が地蔵の前に立つと、その様子を不思議そうな表情で見ていく通行人たちがいた。


彼らは選ばれた者じゃないから、地蔵の存在そのものを見ることができないのだ。


佳奈たちが探し出して置いたガイコツの存在も、もちろん見えていない。


「さて、なにをどう探すかな」


大輔が腕組みをする。


地蔵周辺はもう随分と探しているけれど、裏手は草木が茂っていて見逃しているところが多いかも知れない。


そのため、今日は小さなシャベルを用意してきていた。


「とりあえず草むしりからよ」


春香はそう言い、軍手をしてシャベルを片手に持ち、地蔵の裏手へ回ったのだった。


傍から見たら自分たちは歩道の草むしりをしているだけに見えることだろう。


夏の熱さにジリジリと体を焼かれて、汗が止まらない。
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