首取り様2
「佳奈がお守りを持っていたから、私達がターゲットになった」


風がやんだとき、春香が言った。


佳奈がハッと息を飲んで目を見開く。


そうかもしれないと恐れていた。


それが今友人によって現実として突きつけられた。


「そうなのかもしれないな」


明宏がメガネを指先で直しながら答える。


大輔はただ地面を睨みつけていた。


「そんな……、私は、ただ……」


恐怖でお守りを持っている手が震えた。


これは祖母から貰ったもので、大切していていただけだった。


それがみんなをこんなめにあわせてしまうなんて、考えたこともなかった。
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