首取り様2
☆☆☆
石段を降りていくとき、佳奈は春香の手をずっと握りしめていた。
そうしないと体が震えてしまって階段から落ちてしまいそうになるのだ。
どうにか石段を降りきったとき、大輔と明宏はすでに近所の民家に声をかけていた。
小さな平屋の家があり、玄関先に住人の女性が出てきている。
佳奈と春香は慌てて2人にかけより住人の女性に軽く頭を下げた。
「三福寺さんはいいお寺だったんだけどね。突然お父さんが亡くなられて、それで後を継ぐ人もいなかったのよ」
「子供さんがいなかったんですか?」
明宏が聞くと、女性は頷いた。
「男の子が1人いたんだけど、その子は小さい頃に病気で亡くなってしまったの。それから奥さんはふさぎがちになって、次の子を作ることも考えられなかったみたい」
女性は悲しそうな表情でそう教えてくれた。
三福寺がなくなってしまってからもう随分と年月が経過しているようだ。
一旦は街の人達でどうにか寺を継続できないか考えたそうだけれど、主がいないことには始まらない。
石段を降りていくとき、佳奈は春香の手をずっと握りしめていた。
そうしないと体が震えてしまって階段から落ちてしまいそうになるのだ。
どうにか石段を降りきったとき、大輔と明宏はすでに近所の民家に声をかけていた。
小さな平屋の家があり、玄関先に住人の女性が出てきている。
佳奈と春香は慌てて2人にかけより住人の女性に軽く頭を下げた。
「三福寺さんはいいお寺だったんだけどね。突然お父さんが亡くなられて、それで後を継ぐ人もいなかったのよ」
「子供さんがいなかったんですか?」
明宏が聞くと、女性は頷いた。
「男の子が1人いたんだけど、その子は小さい頃に病気で亡くなってしまったの。それから奥さんはふさぎがちになって、次の子を作ることも考えられなかったみたい」
女性は悲しそうな表情でそう教えてくれた。
三福寺がなくなってしまってからもう随分と年月が経過しているようだ。
一旦は街の人達でどうにか寺を継続できないか考えたそうだけれど、主がいないことには始まらない。