首取り様2
「慎也……」
佳奈は慎也の部屋に入り、そっとクローゼットを開けた。
慎也の体はまだそこに横たわっていて、タオルケットごしに腹部が上下している。
佳奈はその胸に耳を当てて目を閉じた。
トクンットクンッ。
規則正しい心臓の音が確かに耳に聞こえてくる。
慎也は生きている。
生きているのに……!
同じ体勢のままキュッと下唇を噛み締めた。
痛いほどに噛み締めていると血の味が滲んでくる。
きつく閉じられた目の端から涙がこぼれて、タオルケットを濡らしていく。
「早く終わりたいよ、慎也……」
佳奈の切ない声が誰も居ない深夜の部屋に響いたのだった。
佳奈は慎也の部屋に入り、そっとクローゼットを開けた。
慎也の体はまだそこに横たわっていて、タオルケットごしに腹部が上下している。
佳奈はその胸に耳を当てて目を閉じた。
トクンットクンッ。
規則正しい心臓の音が確かに耳に聞こえてくる。
慎也は生きている。
生きているのに……!
同じ体勢のままキュッと下唇を噛み締めた。
痛いほどに噛み締めていると血の味が滲んでくる。
きつく閉じられた目の端から涙がこぼれて、タオルケットを濡らしていく。
「早く終わりたいよ、慎也……」
佳奈の切ない声が誰も居ない深夜の部屋に響いたのだった。