首取り様2
バンバンバン! と複数回大きな爆発音がしたとき、化け物がひるんで足を止めた。


ちゃんと耳もついているようだ。


そのすきに3人は再び走り出す。


「くそっ。なんだってこんなに多いんだよ」


さっき後方2体の化け物をひるませたばかりなのに、また前方に1体の化け物が見えた。


「僕がやる!」


明宏が叫んで2人の前に出た。


素早くナイフを抜き取って、間髪入れずに化け物へ向けて投げつける。


それはまっすぐに飛んで化け物の額に突き刺さった。


化け物の体が大きく揺れて倒れ込む。


それを見た大輔が目を丸くした。


「やるなぁ明宏」


明宏は少しだけ照れ笑いを浮かべ、そしてまたすぐに真剣な表情に戻って走り出す。


今までこんなに過酷なことがあっただろうか?
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