首取り様2
☆☆☆

午前中に病院へ行って縫合し直してもらった大輔はこっぴどく怒られたらしい。


無茶な運動はしないようにと、さんざん釘を刺されたと春香が嘆いていた。


けれど、正直今の状況で大輔を頼れないとなると厳しかった。


化け物は大数を増やし、更には出現率も増えている。


昨日話題に登ったダイナマイトを実際に作ってみるとか、なにか対策を考えないとダメそうだ。


「それで、春香」


昼食を簡単に済ませた後、佳奈は春香へ視線を向けた。


「なに?」


「首を切られた時に相手となにか会話をした?」


友人が首を切られる夢を見た場合は黒い影と会話はできない。


しかし、首を切られた本人なら、その時に自分から影に話しかけることができるのだ。


それは佳奈自身が経験済みだった。


春香は真剣な表情で頷いた。

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