首取り様2
だからってクラスメートから選ぶなんて……。


佳奈はゴクリとつばを飲み込んで写真から視線をそらせた。


いくら自分たちとは遠い存在だとしても、同じクラスで勉強をしていれば挨拶くらいは交わしている。


そんな中から選ぶなんて考えられなかった。


しかし明宏と大輔の2人は写真に見入っている。


「最低でも3人組がいい。残りの地蔵の頭は3体分だから」


「そうだな。こいつらはどうだ?」


「浅野たちは4人組だったよな? 運動部だから化け物との対決には向いているかもしれないけれど、1人だけ呼ばないと不審がられないか?」


「そうかじゃあ――」


2人がどんどん話を進めるのを止めることができない。


止めたところで、じゃあ誰を選ぶのかと聞かれたら、答えることができないからだ。


耳を塞ぎたくなるような会話を聞いていないフリをするしかなかった。


しばらく議論していた2人はちょうどいい3人組を見つけたようだ。


それはクラスでもおとなしい系に属する男子生徒3人組で、いつも寄り添うようにして休憩時間を過ごしている。
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