首取り様2
普段からあまり接点のない自分たちに呼ばれて、かなり驚いている様子だ。


「実はちょっとおもしろいことを考えたんだ」


明宏が警戒されないように笑みを浮かべて3人に話しかける。


「おもしろいこと?」


「うん。夏だし、みんなで肝試しをしないかと思って」


そう言うと、3人は互いに目を見交わせた。


「それは夏っぽくていいと思うけど、どうして俺たちを呼んだんだ?」


大塚くんはさすがに怪しんでいる様子だ。


もっと仲のいい生徒は他にも沢山いるのに、自分たちに声をかけてきた理由がわからない。


「たまには、そういうのもいいかと思って」


明宏が苦しげに説明する。


なにかいい言い訳がなにかと佳奈も考えたけれど、3人を騙しているという罪悪感から黙り込んだままだった。
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