首取り様2
「今日は美樹と慎也もいないじゃないか。いつも一緒にいるのに」


大塚くんは目ざとく2人がいないことに気がついていた。


学校内では6人で行動することが多くて目立っていたから、気が付かれて当然かもしれない。


「ふ、ふたりとも今日は予定があって来られなかったの。だから、誰か暇な人がいないかなって探してたんだよ」


春香が作り笑いを浮かべ、早口になって説明した。


自分がなにをしているのかわかっているからこそ、心臓が早鐘のように打っている。


「それで、肝試しっていうのはどこに行くんだ?」


「首無し地蔵だ。聞いたことないか?」


大輔が声を発すると3人は途端に緊張した表情になった。


大輔のことが日頃から怖かったのだろう。


横に座っていた春香が大輔の膝を叩いて黙っているように促した。


大輔は一瞬ムッとした表情を浮かべたが、すぐに笑顔になって3人に向き直る。


「聞いたことはあるよ。でもそんな地蔵は存在しなかった」


大塚くんがまるで見てきたように言うので佳奈は目を見開いた。
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