首取り様2
「もしかして、行ったことがあるの?」


「あぁ、1度だけみんなで」


他の2人も頷いている。


地蔵がなかったとわかっていては肝試しにならない。


この話しには乗ってこないかもしれない。


そう思っていると明宏が佳奈にお守を出すように促した。


佳奈は言われたとおりテーブルの上にお守りを置く。


3人は興味深そうにそれを見つめた。


「地蔵を見るために必要なアイテムなんだ」


「地蔵を見るためのアイテム?」


「そう。このお守りを持っていないと地蔵を見ることはできない」


明宏の説明に3人はまた目を見交わせた。


興味は持っているみたいだ。


「首無し地蔵の場所を知っているなら、後はこれを持って地蔵に行くだけでいい。


それだけで、今まで見えなかった地蔵の姿が見えるようになる」
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