首取り様2
☆☆☆

昼間に訪れる空き地は小さな虫が沢山飛んでいてお世辞にもキレイな場所ではなかった。


土管はあちこちにヒビが入っていて、子供が登ったり入ったりして遊ぶのは危険そうだ。


夜中は首を探すことで精一杯だから、細かな部分までは見ていない。


こうして昼間来てみると全然違う場所のようにも感じられる。


「私の首はどこにあったの?」


「こっち」


明宏が春香と共に木々が茂っている奥へと進んでいく。


奥に進めば進むほど虫の大群が押し寄せていて、春香は何度も追い払った。


「ここらへんだ」


明宏が立ち止まった場所は木々の少し開けた場所で、特に変わったものはなさそうだった。


「今日も暑いし、手分けをして探そう」


「そうだね」


草の匂いにむせそうになりながらも、丁寧に周囲を確認していく。


ここにも、もしかしたらガイコツが埋まっているかもしれない。


けれどそれを探そうと言い出すメンバーは誰もいなかった。


「これ見てみろよ!」


10分ほど空き地を調べたとき、奥の方から大輔の声が聞こえてきて3人は集合した。


大輔は空き地の最奥、ブロック塀の近くまでやってきていた。
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