首取り様2
☆☆☆

空き家の裏口へ回ってみると昨日大輔が破壊したままの状態になっていた。


そこから家の中に入っていくと、昨日は気が付かなかったがホコリが大量に積もっていることにきがついた。


そこに佳奈と大輔と春香の靴の足跡が残っている。


そしてそれ以外に素足の5人分の足跡も。


「ホコリの上だから足跡が消えなかったんだな」


明宏はポツリと呟いた。


首を見つけた和室へ向かうと、押し入れの戸は開けっ放しになっていた。


なにもかも昨日のままだ。


「押入れの中はもうなにもないみたいだな」


大輔が押し入れの中に首を突っ込んで確認している。


昨日そこに明宏の首があったのに、全然気にしている様子はない。


「この家を探すって言っても家具は全部持ち出されてるのか……」


家具が残っていれば色々と探す場所があったかもしれないが、後は屋根裏や床下を探すことになりそうだ。


さすがにそこまで大掛かりなことをするのなら、準備が必要になってくる。


「家具なら1つだけ残ってるよね」
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