首取り様2
春香がか細い声で言う。


その視線の先を追いかけていくと、大きな仏壇が鎮座していた。


他の家具はすべて撤去されていて、仏壇に飾るものも片付けられている。


それなのに仏壇だけが残っていることは不自然だった。


明宏がそっと仏壇に近づいてく。


埃のかぶっている引き出しの取ってにフッと息を吹きかけた。


ホコリが舞い上がり、窓から差し込む太陽光で輝いてみえた。


小さな引き出しは立て付けが悪くなっているようで、簡単には引き出せず、ガタガタと何度も揺らしてようやく引き出すことができた。


その中に入っていたのは……一枚の写真だった。


「それは?」


佳奈が聞くが、明宏はまた無言だった。


「古い写真。白黒で、5人が写ってる」
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