首取り様2
さっきまで暗かった世界が明るくなり始めている。


化け物の方へ視線を向けると、その姿は霧のように霧散していった。


「化け物が消えた……」


美樹が小さな声で呟いた。


そして……「太陽だ」明宏の絶望的な声が聞こえてきた。


太陽が出て、朝日が木々の間から差し込んできた。


それは一本の筋となって佳奈のもとに降り注ぐ。


佳奈が愕然としてその眩しさを見つめる。


朝が、来た……。


「やだ……まだダメ! まだ慎也の首が見つかってないんだから!」


空へ向けて叫ぶ佳奈の目からはボロボロと涙がこぼれだしていた。


気持ちはまだまだ慎也の首を見つけるつもりでいるのに、心が何かを察知して先に涙を流し始めたように、止まらない。
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