首取り様2
確認しなければいけないとわかっていたけれど、口に出せずにいただけだ。


「地蔵の首になる」


佳奈がポツリと呟いた。


それは夢に出て首を取っている影が、いつも残していく言葉だった。


「慎也の首は地蔵の首になったってことだよね?」


佳奈に聞かれて明宏は左右に首を振った。


「わからない。でも、あの夢の言葉どおりならきっと……」


明宏がすべてを言い終わる前に佳奈は勢いよく立ち上がっていた。


「慎也の首があるなら、確認しに行かないと!」


やっと頭の回転が戻ってきた。


涙はすっかり引っ込んで、これから先どうすればいいのか考える。


とにかく今は地蔵を確認しに行くことが先決だ。


明宏と美樹は顔を見合わせた。


朝までずっと首を探していたから少し休みたい気持ちもあったが、さっきシャワー
を浴びたので十分だった。


「そうだな、行こう」
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