首取り様2
「慎也!?」


明宏が驚いて声を上げる。


きつく目を閉じた地蔵の顔は誰がどう見ても慎也その人なのだ。


「慎也、嘘でしょ……」


佳奈は両手を伸ばして地蔵の頬を包み込んだ。


ヒヤリと石の感触が冷たくて身震いする。


『地蔵の首になる』


あの夢で見たとおりのことが起こっている。


朝までに首を見つけることができなかったから……!


「どうすればいいの? これ、どうすれば持って帰ることができるの!?」


地蔵の顔を両手で包み込んだまま佳奈が混乱した声を上げる。


「佳奈やめて、それは持って帰れないよ」


美樹が後ろから佳奈の背中を擦った。


友人からどれだけ優しくされても佳奈は納得しなかった。


だって慎也の顔は今ここにある。


これを持って帰れば、きっと慎也は目を開けてくれるはずだ。


そう信じて疑わなかった。
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