首取り様2
それでは明宏の荷が重くなっっても仕方のないことだった。


それでも首取りのゲームは続いていく。


逃げることはできないのだ。


「ねぇ明宏」


美樹は佳奈に聞こえないようにそっと囁く。


「このまま全員の首がとられることになったら……」


そこまで言って言葉を切る。


自分でなにを言おうとしているのか理解して、最後まで言葉を続けることができなくなったのだ。


このまま全員の首が取られて地蔵についたら?


地蔵は5体、こっちは6人。


たった1人が残ってのこ事実を背負っていくことになる。


「そんなことはない。絶対に!」


小さな声でも明宏はキッパリと言い切った。


そうしないと美樹の考えている嫌な予感が現実のものになってしまいそうで怖かった。


自分は頼りない男かもしれないけれど、全力を尽くして美樹を守るつもりでもある。


問題は夜に出てくる黒い化け物だった。
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