首取り様2
あの化け物に襲われると夢では終わらず、傷が残ったままになる。


自分の身を守るために、武器ももう少し考えないといけないと思っていたところだ。


「今夜のためになにか使えるものがないか探してみようか」


明宏の提案に美樹は頷いた。


小さな果物ナイフではさすがに心細かった。


大きな包丁を持っていたからと言ってそれを使いこなせるかどうかはわからないが、安心感に違いはあるはずだ。


「佳奈。私達武器になるのを探してくるけど、いい?」


戻ってきてから呆然として椅子に座ったままの佳奈に声をかける。


佳奈はゆっくりと視線をこちらへ向けた。


その瞳は揺れていて、なにかに怯えているのがわかった。
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