首取り様2
「化け物ってあんなに多かった?」


青白い顔で佳奈がつぶやく。


最初のあの化け物を見たのは警察署でのことだった。


あの時はまだこのゲームに関係のない場所には入ることができないと知らなかった。


だからみんなで警察署へ向かったのだ。


中に入ることができずにいたとき、黒い化け物に遭遇した。


その時はたしか5体だったはずだ。


でも今日はすでに6体の黒い化け物に遭遇している。


「わからない。でも、もともと多かったのかも知れない」


今まで1回につき数体の黒い化け物にしか出会ってこなかった。


だけどそれは単純に幸運だっただけなのかもしれない。


「あんなのがもっと沢山いたら、首を探す暇なんてないじゃん」


春香が絶望的な声を漏らす。


それでも美樹の首を探さないといけない。


黒い化け物は自分たちの攻撃すると同時に、取った首を奪われないように守っているのだろう。


だとすると、黒い化け物が出現する場所に首がある可能性が高い。


「行こう」


明宏は再び大通りへと向かったのだった。
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