首取り様2
化け物は公園内から入り口を塞ぐように立ちはだかっている。


それを見て明宏はやはりこの公園に美樹の首があるのだと察することができた。


「わざわざ首の在り処を教えてくれたのか」


化け物へ向かて言いながら、後ろてでナイフを取り出す。


この至近距離で近づいて来られたらあっという間に殺されてしまうだろう。


明宏はグッと奥歯を噛み締めた。


「美樹、ごめん!」


死ぬ覚悟で叫び、真正面から化け物へ向けて突進した。


手に一本のナイフを握りしめて。


化け物が刃物の腕を振り上げる。


「あああああああ!!」


明宏の雄叫びは佳奈と春香が隠れている場所まで聞こえてきた。


「ねぇ、今の声」


佳奈の言葉に春香が頷く。
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