首取り様2
地蔵たちからすれば、私達はただ呪いに立ち向かうプレイヤーなのかも。


「それなら夜になるまでに、もう少し武器になるものを集めないといけないな」


大輔の言葉に春香が目を見開いた。


「もしかして、今夜は参加するつもり?」


「当たり前だろ? 今日はどれだけ落ち着かない気分だったかわかるか?」


「でも、まだ怪我が……」


当然、大輔の負った怪我はまだ完治していない。


抜糸だってまだ先の予定だ。


「今日だけはって約束だったはずだ」


そう言われて春香は黙り込んでしまった。


確かに、そういう約束で今日は休んでもらったのであるけれど、あれは言葉のあやのつもりだった。


だけど大輔にそんなものは通用しない。
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