イカれ恋人
昨日のこと。

あの日は僕もあいつも酔っていた。

外で飲んでいたんだけど、いつもよりすぐに酔いが回ったらしい。

あいつに抱えられて、家に帰った。

今思えば本当に酒で酔っていたのだろうか。

気が付けば衣服をほぼ剥ぎ取られている所だ。


抵抗しようにも、頭は(もや)がかかって思考がまともに出来ない状態。

動きの悪い四肢を必死にばたつかせても、大きく筋肉質な肉体が乗り上げ抑えつけたらどうしようもない。

唯一自由になる首を必死に振って拒否を示したが、あいつは微笑むだけだった。

そう、初めてあった日の悪魔みたいな笑み。
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