彼、予約済みです。
第三節【同じ電車のあの子】
毎朝同じ時間、同じ車両に乗る高校生の女の子。
柔らかい茶色のロングヘアに優しそうな目元をした女の子。
「モテんだろうなあ⋯⋯」
何となく声に出したそのつぶやきは、親友のハルに聞こえてたらしく、「お前急に何言ってんだ?」と、怪訝そうに言われてしまった。
「マジで最近変だぞ、優海。何かあるんなら話してみ」
そんなこと言われても毎朝一緒の電車に乗っている女子高生が気になってるなんて言えるわけない。
そんなこと言った日には俺は変態大学生になってしまう。
「はぁ⋯⋯」
「あー、楽しみだなー!実栗の初めての合コン!」
帰りの電車。
たまたまあの子と同じ電車に乗った俺はそんな会話を聞いてしまった。
実栗、というのはあの子のことだろう。
つまり合コンに行くのはきっとあの子で間違いない。
(は、合コン?嘘だろ)
止めたい、という気持ちはあるがそんな権利俺にはない。
だってあの子にとって俺はただのたまたま同じ電車に乗っている男だ。
話したこともないのにいきなり合コンに行かないでくれ、なんて言ったら変な人だと思われて終わりだ。
(諦めるしかねぇのかな⋯⋯)
柔らかい茶色のロングヘアに優しそうな目元をした女の子。
「モテんだろうなあ⋯⋯」
何となく声に出したそのつぶやきは、親友のハルに聞こえてたらしく、「お前急に何言ってんだ?」と、怪訝そうに言われてしまった。
「マジで最近変だぞ、優海。何かあるんなら話してみ」
そんなこと言われても毎朝一緒の電車に乗っている女子高生が気になってるなんて言えるわけない。
そんなこと言った日には俺は変態大学生になってしまう。
「はぁ⋯⋯」
「あー、楽しみだなー!実栗の初めての合コン!」
帰りの電車。
たまたまあの子と同じ電車に乗った俺はそんな会話を聞いてしまった。
実栗、というのはあの子のことだろう。
つまり合コンに行くのはきっとあの子で間違いない。
(は、合コン?嘘だろ)
止めたい、という気持ちはあるがそんな権利俺にはない。
だってあの子にとって俺はただのたまたま同じ電車に乗っている男だ。
話したこともないのにいきなり合コンに行かないでくれ、なんて言ったら変な人だと思われて終わりだ。
(諦めるしかねぇのかな⋯⋯)