彼、予約済みです。
「は?合コン?」

翌日大学に行くとハルが合コンに誘ってきた。

「そうそう、彼女がセッティングしてくれたのはいいんだけど男子一人足んねぇんだよ」

なぜ彼女がいるのにわざわざ合コンをするんだと思ったが、友達にせがまれたから致し方なくするらしい。

「なっ?いいだろ、お前どうせ彼女いねぇし」

そうは言っても今、彼女をつくる気はさらさらない。

あの子以外は。

「てかお前の彼女がセッティングって、女の子たちみんな高校生ってことだろ?」

ハルの彼女は高校生で、バイト先で知り合ったらしい。

「いいじゃん。別に高校生だって」

「嫌だよ、高校生に手を出す大学生はろくでもないって言われるだろ。俺は普通の大学生でいたい」

そう言うとハルは「お前、それは俺がろくでもないって言いたいのか!?」と、憤慨していたが知らん。

世間一般では、の話だ。

(そういやあの子も合コンに行くって言ってたな)

昨日のことをふと思い出す。

「なーなー、いいだろ?1回だけだから!一緒に行ってくれよー」

ハルが俺の肩を掴んで揺らしてくる。それがウザったくてつい「あーもう、わかったよ!1回だけだぞ!?」と、言ってしまった。
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