彼、予約済みです。
待ち合わせの居酒屋に行くと、先に着いてたらしい女の子たちが待っていた。

だけど俺はその女の子の一人を見て自分の目を疑った。

(は⋯⋯?嘘だろ⋯⋯)

同じ電車のあの子がそこにいたのだ。

確かにこれは合コン。

あの子も合コンに行くと言っていたのだから別におかしくはない。

けれどこんな偶然があっていいのか。

「え、えっと、日南実栗です。よろしくお願いしましゅっ」

可愛い。

名字でさえ可愛い。

そんなことを思っていると、横にいた友達の宇野が「実栗ちゃん可愛いー!」と、噛んでしまった日南さんに茶々を入れた。

(日南さんが可愛いのなんて俺が一番知ってるんだよ)

と、口に出すのは無理なので心の中で宇野にキレておいた。
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