彼、予約済みです。
なぜ私はこんなところにいるのか。

放課後すみちゃんに半ば強引に連れてこられた場所は湊さんが通う、桜陽大学だった。

｢ほら、すみちゃん、目立っちゃってるよ〜！｣

大学生の中に二人、制服を着た女子高生が混じっているのだから目立つのは当然と言えば当然だろう。

｢気にしない気にしない。ほら、こっちだよ｣

すみちゃんに言われるがままついて行くと、そこにあったのは体育館だった。

｢すみちゃん、ここって⋯⋯｣

｢そういうこと｣

そう言いながらすみちゃんはドアの隙間から中の様子を見る。

｢おー、やってるやってる｣

｢すみちゃん、邪魔しちゃ悪いよ〜｣

そんな風に二人でわちゃわちゃしていると、不意に後ろから声をかけられた。

｢何やってんだ？｣

びっくりして声を上げそうになる。

落ち着いて振り向くと、そこにいたのはすみちゃんの彼氏のハルさんだった。
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