彼、予約済みです。
俺ってこんなキャラだったっけ。

ふとそう思う。

でも日南さんが可愛くて仕方がなくて、意地悪したくなってしまう。

「なーにが“好きだよ”だ。恥っず⋯⋯」

自分で言っておいて恥ずかしくなる。

悶絶しながら電話での日南さんの言葉を思い出す。

“ ⋯⋯私、湊さんと出会って変われた気がします。今までの私だときっとこんな素直に話せてなかったでしょうから”

「いいんだか悪いんだか⋯⋯」

素直になった日南さんの破壊力はやばい。

そのうち俺が死ぬ気がする。


大学にて、ハルと話していると部活仲間の久遠理央(くおんりお)に声をかけられた。

「そういやお前、彼女できたんだって?」

なぜそんな話が出回っているのか全くわからない。

「いや、できてないけど」

「あれ、おっかしーなー。宇野が昨日実栗ちゃん?と、仲良さげに話してんの見たって言ってたんだけど⋯⋯」

また宇野かと、思った。
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