彼、予約済みです。
「確かに話してはいたけど⋯⋯」

そう言うと久遠は、訳知り顔でこう言った。

「ほらな。ってかその子合コンで知り合った子なんだろ」

どこまで話が広がってるんだ。宇野、今度会ったら覚えておけよ。

「確かにちゃんと話したのは合コンが初めてだけど、その前からその子のことは知ってたんだよ」

「女子高生なのに?」

「お前⋯⋯どこまで知ってんだよ?」

まさかここまで包み隠さず話が出回っているとは。

やっぱり次会ったら宇野はぶっ飛ばすべきか。

「宇野が泣いてたよ?湊に女の子取られたーって」

「人聞き悪いわ」

だいたい見つけたのは俺が先なんだ。

取られたもくそもない。

「はぁ⋯⋯」

恋って面倒臭い。
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