彼、予約済みです。
昼食後、私たちはまた海で遊んでいた。

「やっぱり食べた分動かないとね!」

そう言うすみちゃんに「なるほど」と思い、私も午前中と同じように遊ぶことにした。

「日南さん元気だね」

そう言う湊さんを見て「しまった」と思う。

もしかして湊さんは元気すぎる女子は嫌いなのだろうか。

「わ、私もお昼食べ過ぎちゃったので⋯⋯」

思わず言い訳のようになってしまう。湊さんはどう思っただろうか。

「俺、元気な子って大好きだよ」

恥ずかしげもなくそんなことを言うので、こっちが照れてしまう。

「や、やっぱり少し疲れたかも!私、日陰で休んできますね!」

一緒にいると動悸が治まらなさそうなので、とりあえず湊さんから逃げることにした。

「俺も行こうか」と湊さんは言ってくれたけど、彼から逃げるのが目的なのでもちろん断った。

「本当にあの人は⋯⋯。でも今までずっと遊んでたから本当に少し疲れたな」

辺りを見渡し、涼めそうな日陰を探す。

ちょうど良さげな場所があったのでそこに向かおうとすると急に後ろから肩を掴まれた。

「お姉さん、今一人?」

振り向くとそこにはだいたい大学生ぐらいの男の人が三人立っていた。

「俺たちと遊ばなーい?」

⋯⋯これはいわゆるナンパ、というものでしょうか。
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