彼、予約済みです。
第三節【夏のせい】
先程のことを思い返す。
途端に恥ずかしくなり、体が熱くなってくる。
(あれって⋯⋯あれだよね、そうだよね?)
何とも言えない雰囲気になったあの時、静かに湊さんの顔が近づいてきた。
あれはきっと⋯⋯
「実栗?おーい、どったの?なんかあった?」
一人で悶々としていると、隣にいたすみちゃんに心配されてしまった。
「な、なんでもないよ」
そう言っても、すみちゃんはまだ疑いの目で見てくる。
でも相談する勇気もないので笑って誤魔化す。
「よかったら相談乗るよって言いたいところだけど⋯話す気は無さそうだね」
こちらの異変に気がついても無理には聞き出さないのがすみちゃんのいいところだ。
大好きなすみちゃんには申し訳ないけど、こればっかりは話せない。
「じゃあ相談乗れない分さ、一緒に遊んでよ。遊んだら少しは気持ち晴れるんじゃない?」
すみちゃんはニカッと笑ってそう言った。
遊んだら気持ちは晴れるかもしれない。
でもそれって結局考えることから逃げてるだけなんじゃないのか。
そんなことを思ったけれど、やっぱりせっかく海に来ているのだからたくさん遊ぼうと思い、すみちゃんの提案に頷いた。
途端に恥ずかしくなり、体が熱くなってくる。
(あれって⋯⋯あれだよね、そうだよね?)
何とも言えない雰囲気になったあの時、静かに湊さんの顔が近づいてきた。
あれはきっと⋯⋯
「実栗?おーい、どったの?なんかあった?」
一人で悶々としていると、隣にいたすみちゃんに心配されてしまった。
「な、なんでもないよ」
そう言っても、すみちゃんはまだ疑いの目で見てくる。
でも相談する勇気もないので笑って誤魔化す。
「よかったら相談乗るよって言いたいところだけど⋯話す気は無さそうだね」
こちらの異変に気がついても無理には聞き出さないのがすみちゃんのいいところだ。
大好きなすみちゃんには申し訳ないけど、こればっかりは話せない。
「じゃあ相談乗れない分さ、一緒に遊んでよ。遊んだら少しは気持ち晴れるんじゃない?」
すみちゃんはニカッと笑ってそう言った。
遊んだら気持ちは晴れるかもしれない。
でもそれって結局考えることから逃げてるだけなんじゃないのか。
そんなことを思ったけれど、やっぱりせっかく海に来ているのだからたくさん遊ぼうと思い、すみちゃんの提案に頷いた。