彼、予約済みです。
一週間に一度のHR。今日も文化祭が議題だ。

「えーと、前回は出し物が無事決まったわけですが⋯⋯今日はもう一つ決めることがあります。」

出し物以外に決めることがあるのだろうか。

そう不思議に思っていると実行委員長は話の続きを始めた。

「うちの高校では毎年クラスの出し物以外にミスコンをやっているのは知ってますよね。そのミスコンで優勝するとクラスに50ポイント入るのも」

その言葉にみんながざわつく。

1ポイントにつき一人のお客さんだからかなり大きい。

このミスコンで勝敗が分かれるといっても過言ではない。

「クラスから男女一人ずつ出てもらう必要があるんですが⋯⋯誰かいませんか?」

ミスコンと聞いて真っ先に自分でやりたいという人はいないだろう。

私ももちろんやるつもりはない。

そう思っていると男子の一人が手を挙げた。

「男子は千葉でいいんじゃね?」

それを聞いて他の男子や女子も「いいと思う」と言い始める。

学年一モテる彼ならもしかしたら優勝も有り得るかもしれない。

「千葉君はどうですか?」

委員長が千葉君本人に意思確認をする。

「んー、誰もやらないって言うなら俺別にいいよ?」

その彼の言葉にみんなは「よっしゃ!これで優勝は固いぜ!」と、歓喜の声を上げている。

「あとは女子ですが⋯⋯」

そう委員長が言うと隣にいたすみちゃんがニヤリとしたあと手を挙げた。

「はいはーい!女子は実栗がいいと思う!」

「えっ!?」
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