甘い悪夢へようこそ
「君を攫うよ、幸せにするためにね」

木の棒から光の粒が飛び出し、ミアをゆっくりと包んでいく。すると、ミアの瞼が少しずつ重くなり、意識がぼんやりとし始める。

最後にミアが聞いたのは、村人たちの悲鳴と叫び声だった。



全てを思い出したミアは、ずっと背中をさすってくれているマシューの手を振り払い、後ずさる。

「そんな顔をしないでよ。ああしないとミアを助けられなかったんだ」

カイルがそう言い、ゆっくりと近付いてくる。ミアは「やめて!」と言い、手を振り上げるものの、その手を強く掴まれ、抱き寄せられた。

「やっ!」

ミアは抵抗するものの、男性の力には勝てず、すぐに押さえ込まれてしまう。

「ミア、少し落ち着こうか」

少し悲しそうな顔をしてマシューが言った後、木の棒のようなものを向けられる。そしてまた意識を失ってしまう。

どれほど時間が経ったのか、ミアが目を覚ますと、最初にいた部屋のベッドに寝かされていた。
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