甘い悪夢へようこそ
ミアがそう呟き、期待を胸に歩き出そうとした刹那、「フラフラ歩き回っちゃダ〜メ」という声が聞こえ、何者かに抱き締められる。
「ひっ!」
背後には誰もいなかったはずで、人の気配すら感じなかった。ミアが恐る恐る後ろを向くと、リボンタイの黒いスーツを着た背が高く、華やかな顔立ちの男性がニコニコと笑っている。ふんわりとした白い髪に、ルビーのような赤い目をして、耳には十字架のピアスがつけられている。
「おはよう、ミア」
名前をミアは教えていないのに、男性はミアの名を言った。この男性に見覚えはなく、ミアが何かを思い出したこともない。
「あなたは誰?どうして私の名前を知ってるの?」
ミアが訊ねると、男性は目を夜空に輝いている三日月のように細め、ミアの唇をそっと指でなぞる。
「僕はマシュー。君の王子様」
「王子?」
訳がわからず、ミアが首を傾げているとマシューに手を取られる。そしてマシューが歩き始めたため、ミアも歩かざるを得なかった。
「ひっ!」
背後には誰もいなかったはずで、人の気配すら感じなかった。ミアが恐る恐る後ろを向くと、リボンタイの黒いスーツを着た背が高く、華やかな顔立ちの男性がニコニコと笑っている。ふんわりとした白い髪に、ルビーのような赤い目をして、耳には十字架のピアスがつけられている。
「おはよう、ミア」
名前をミアは教えていないのに、男性はミアの名を言った。この男性に見覚えはなく、ミアが何かを思い出したこともない。
「あなたは誰?どうして私の名前を知ってるの?」
ミアが訊ねると、男性は目を夜空に輝いている三日月のように細め、ミアの唇をそっと指でなぞる。
「僕はマシュー。君の王子様」
「王子?」
訳がわからず、ミアが首を傾げているとマシューに手を取られる。そしてマシューが歩き始めたため、ミアも歩かざるを得なかった。