甘い悪夢へようこそ
驚いてポカンとなってしまうミアに、カイルがフォークを手に取って、カップケーキに刺す。そして、「ほら、食べて」と言いながらミアの口元に持ってきた。

「あの、自分で食べれます!」

小柄で肉付きがあまり良くなく、幼く見られがちなのだが、ミアは十六歳なのだ。子ども扱いされるのが嫌で、つい強い口調で言ってしまう。すると、二人はしばらくしてから笑い出した。

「そうか、恋愛したことがないんだったね。可愛いなぁ〜」とカイル。

「揶揄われていると思ったの?それとも恥ずかしがり屋さん?どっちにしても可愛いよね!」とマシュー。

馬鹿にされているような気がして、ミアが口を閉ざすと、「そんな顔しな〜い。可愛い顔が台無しだよ?」とマシューに頬を軽く突かれる。

「俺たちは、ミアのことが恋愛的な意味で好きなの。好きな子にはね、食べさせてあげたくなるものなんだよ」

カイルにそう言われ、ミアは驚いてしまう。かっこいい男性に「好き」と言われれば驚いてしまうのは当然なのだが、ミアの中には「どうして私のことを?」という思いがあった。自分の容姿に自信がないのだ。
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