甘い悪夢へようこそ
ミアが驚いていると、不意にカイルに胸を触られ、悲鳴が部屋に響く。触り方がどこかいやらしい手つきで、ミアは半泣きになりながら胸元を手で隠した。

「な、何するんですか!?」

「ん〜、肉がもうちょいついた方がいいかなっていう確認。十六歳なら、まだ大きくなる可能性はあるしね」

だから食べなよ、とフォークを口元に持って来られるが、ミアはこんな人に食べさせて貰いたくないと口を固く閉ざす。すると、視界が一瞬で黒に包まれた。

「何?んっ!」

驚いて声を出した隙に、カイルにカップケーキを口の中に押し込まれる。カップケーキは表面はカリッとしているのだが、中はふんわりと柔らかく、バターのいい香りが広がっている。

「マシュー、そのまま目を隠しといて。目が見えなかったら、自分で食べられないだろ?」

「カイルさんだけずるくない?僕だって「はい、あ〜ん」ってしたいのに」

ミアの目の前が真っ黒になったのは、マシューに手で目隠しをされてしまったからのようだ。マシューの手をどかそうとしたのだが、まるで接着剤で引っ付いているかのようにマシューの手はミアの目を覆っており、ミアは諦めて大人しくカップケーキを食べる。
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