甘い悪夢へようこそ

「私、何もしてません！私じゃない！」

ミアは牢獄の中で何度も叫んだ。だが、彼女の声を聞いてくれる人はおらず、ミアはカエデが赤く色付く広場で処刑される日を迎える。

柱に縛り付けられ、これから生きたまま燃やされるのだ。見物人が罵声を浴びせ、石を投げ付けてくる人までいた。

（どんなに酷いことをされても、真面目に生きてきたのに……。私の人生、不幸なことしかないじゃない！）

絶望の淵に立たされ、ミアが涙を零した刹那、ミアの目の前にカイルとマシューが突然姿を見せる。ミアも、死刑執行人も、見物人たちも、みんな突然現れた二人の男性に驚いていた。

「あなたは……？」

ミアが訊ねると、マシューがニコリと笑い、「誰だっていいでしょ？君を助けに来たんだ」と言う。隣でカイルが「マシュー、さっさとこいつらを片付けるぞ」と言い、マシューは返事を一つしてミアに木の棒のようなものを向ける。

「おやすみなさい、お姫様」