短編小説集
黒猫のキキ 2(今回は実話ではありません)
僕の名前は、シロ。
名前の通り白猫である。
因みに前世は、黒猫のキキって呼ばれていた。
今、僕はリビングにある窓の前を陣取り、目の前の家をジッと見つめていた。
何故かって?
それは目の前の家が、僕の前世時代住んでいた家だからだ。
自分が住んでいた家が目の前にあったら気になるだろ?
あ!昔のご主人様であるまーが帰ってきた!
…って、あーあ、何やってんだよ?
まーは躓く物が何もない所で、転んでしまった。
すぐに起き上がったまーはパタパタとスカートを払い、そして何事もなかったかの様にさっさと家の中に入ってしまった。
足、大丈夫そうだな。
良かったーーー
あーあ、まーは本当に鈍臭くて心配になるんだよな!
僕がいなくて大丈夫か?
まーの傍にいたいーーー
…いや、そうじゃない。
傍に居たいってのはウソじゃない。
ただ僕は、まーに抱っこをしてもらいたいんだ。
また、神様にお願いでもしよっかなぁ。
そしたらまーの部屋に入れるのに。
神様お願いします!
また、まーの部屋に行きたい!
神様にお願いすると僕の身体はあの日、まーの部屋に行った時みたいに透け始める。
やった!
これでまーの所に行ける!
神様、ありがとう!
ニャーーー