短編小説集
トビラ
いつからだろう…
突然、家の玄関の横にドアが現れたんだ。
玄関扉の横にだよ?
ビックリするよね!
家族に誰が置いたのか聞いたら、誰も置いてないんだって。
ヘンナノー。
しかもこのドア、私以外誰も見えてないみたい。
ホントに?
これが見えないの??
試しに触ってみようか?
恐る恐るドアに向かって手を伸ばす。
「何やってるの?」
「お母さん!」
「まーたそこに扉があるとか言うの?」
「………」
「宿題やってないんでしょ?早くやっちゃいなさい」
「……うん」
私は後ろ髪を引かれながら、玄関の中に入った。
誰にも見えないあのトビラが気になるーーー
よし!明日、あのトビラに触ってみよう!