首取り様3
その映像だけ見れば智子が栄子をイジメているように見える。


そして和子はその動画を先生に見せたのだ。


先生は智子の言い分よりも証拠として残っている動画の方を信用した。


もともと栄子と和子に手を焼いていたのかもしれない。


2人の矛先が智子のところで止まってくれていれば、先生としても楽でよかったのかもしれない。


それをキッカケにして2人の行動は更にエスカレートして行った。


クラス内でも智子を悪者に仕立て上げて、事実ではないことをバラマキ続けた。


最初は智子を信用してくれていた友人たちも、次第に大人数の方へと流れ始める。


『私のペン、智子の机の中から出てきたんだけれど』


ある日、最後の1人となった友人が仁王立ちをして智子へ向けて言った。

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