首取り様3
『違う!』


『さっきからそれしか言わないよね』


友人の目が暗く濁る。


どれだけ違うと叫んでも、それだけで信用してくれる人はいない。


かといって言い訳を並べてみても、それを悪用されてしまう。


智子は八方塞がりだった。


そして黙り込んでしまった智子を見た友人は幻滅し、去っていったのだった。


それからの智子はまるで生き地獄だった。


栄子と和子からせびられる金額は1回数万円に登るようになり、教室内からは居場所が消えた。


1人外のベンチでお弁当を広げていると、上から植木鉢を落とされたこともある。


さすがにそれは学校内でも問題になったが、結局のところ植木鉢の置き場所が悪く、偶然落下したということで片付けられてしまった。


けれど智子は知っていた。


植木鉢を落とした犯人がいること。


その犯人は大声で笑っていたこと。

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