首取り様3
先生にそれを伝えたところでどうにもならないことはすでにわかっていた。


ここに自分の居場所はない。


すべてが暗く、闇の中に溶けていってしまいそうな毎日だった。


いっそ、自分自身が溶けてしまえたら楽なのにと何度も考えた。


けれど智子には死ぬ勇気がなかった。


『人殺し』


ずっと。


ずーっと昔から。


イジメられるよりも前からそう言われてきた智子は、死について考えて考えて考えすぎて、そしてなにもわからなくなってしまっていたから……。
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